先日家で寛(くつろ)いでいた時のこと、
身内の者が履いていた
私が作ったキュロット(以下パンツ)
の股のところが破(やぶ)けているところを発見した。
気のせいかと思ったが、破けていた。
指摘するとしょんぼりして、
パンツをずらし目立たないようし始めたが、
破けているものは破けている。
「見せものやんか!泣」と言っている。
パンツの縫製について考えさせられた出来事だった。
![](http://moku2sewing.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_20210930_211913-225x300.jpg)
こちらがその破けたパンツ。こんなもの載せて良いのだろうか。
今回のパンツは、
股のところは一枚ずつロックミシンをかけた後、
縫い合わせて
縫い代を割っている。
縫い合わせは一回ミシンで走っただけ。
言わばお尻が一本の糸で支えられていたのだ。
(いや上糸と下糸で2本?)
そして、破けているパンツを履いている人が、
「前後が分かりにくいねん。」と言い訳していて、
良く見てみると前後反対に履いていることも判明。
いろいろ残念な状況だが、
原因追及もそこそこにパンツの修復をすることに。
アイロンをかけ縫い代を合わせて、
縫っていたところのカーブの線をチャコで書いて、
![](http://moku2sewing.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_20210930_212351-253x300.jpg)
糸が見えにくいため、チャコの線はもう少し長めに書けば良かった。
残っている縫い目と数cm重ねて、
破けているところを2回縫った。
すごい剣幕で「5重にして。」と言われていたが、
ちょっと大変と思い希望には沿(そ)えず。
そういえば最近インスタグラムでパンツを作った人を見ていると、
4・5回縫うという人を見た。
それを見た時は、
「そんなには必要ないのでは。」と思っていた。
けれど「破(やぶ)ける」というリスクを負っている以上、
そのくらい用心深く縫われる気持ちが分かるようになった。
私は毛利元就の「三矢(さんし)の訓(おしえ)」に準(なぞら)えて、
これからは3回縫おうかと思ったのだった。
しかし後日、
先生にお伺いしたところ、
「股ぐりはカーブがきつくて
縫い代を割り難(にく)いこともあり、
縫い代は片倒しするのが一般的。」
というように言われていた。
丈夫さの観点からも、
生地の厚さやウエストベルトを縫い付ける時、
問題ないかを考慮した上で、
できるなら2枚縫い合わせで
ロックミシンをかけた方が良さそうだ。
そして、
「股ぐりを縫うのは2回ぐらいで良い。」
とのこと。
尚(なお)、
今回破れたパンツは大変気に入られていて、
ほぼ毎日のように履いていたことも
注釈させていただきたい。
読んでくださって
ありがとうございました。